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建設業の資金繰りには独特の難しさがあります。工事を受注しても、着工前の材料費を用意できないケースが珍しくありません。そもそも請求書を発行できるのは工事完了後のため、材料費や人件費を立て替えなければならず、資金が回らなくなりがちです。
この課題を解決する方法が注文書ファクタリングです。
一般的なファクタリングは請求書発行後に利用できるサービスですが、注文書ファクタリングは受注時点で注文書を買い取ってもらい、資金化できます。
そこで今回は、建設業におすすめの注文書ファクタリングサービス10社をご紹介します。手数料・入金スピード・建設業での実績を軸に比較しました。サービスを選ぶポイントや利用時の注意点も解説しますので、ぜひご参考にしてください。
注文書ファクタリング|建設業におすすめのサービス10選

| 会社名 | 手数料 | 入金スピード | 買取上限額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ビートレーディング | 2%〜 | 最短2時間 | 無制限 | 業界パイオニア |
| トップ・マネジメント | 2社間3.5%〜12.5%、3社間0.5%〜3.5% | 最短2時間 | 1案件1億円 | 見積書対応 |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 1.5%〜10% | 最短3時間 | 無制限 | 非営利団体 |
| アクセルファクター | 0.5%〜8% | 最短2時間 | 1億円 | 審査通過率93.3% |
| BESTPAY(ベストペイ) | 5%〜 | 最短翌日 | 3億円 | 注文書買取専門 |
| No.1 | 1%〜15% | 最短30分 | 5,000万円 | 最短30分審査 |
| ベストファクター | 2%〜20% | 最短1時間 | 1,000万円 | 建設業利用最多 |
| ペイトナー | 一律10% | 最短10分 | 記載なし | 手数料一律明確 |
| けんせつくん | 5%〜 | 最短2時間 | 記載なし | 建設業特化 |
| 建設Pay | 1%〜 | 最短1時間 | 1億円 | 業界最安水準 |
建設業で注文書ファクタリングを利用するなら、上記の10社がおすすめです。
各社の詳細について、表に沿って解説していきます。
ビートレーディング

| 手数料 | 2%〜 |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 買取上限額 | 無制限 |
| 買取下限額 | 下限なし |
| 契約方式 | 2社間/3社間の両方対応 |
| 必要書類 | 通帳コピー・注文書(メール等エビデンスも可) |
ビートレーディングは注文書ファクタリングを日本で初めて提供した企業です。累計取引社数は7.1万社以上、累計買取額は1,550億円を超えています。2012年の設立以来、建設業をはじめとする多様な業種の資金調達を支援してきた実績があります。
建設業に適している第一の理由は、最大6ヶ月先の注文書まで買い取ってくれる点です。建設業では工期が数ヶ月に及ぶ案件が珍しくありません。たとえば、4月に受注した工事が9月完工予定でも、4月時点で注文書を資金化できます。着工前に材料費や人件費を確保できるため、資金繰りの心配なく工事に着手できます。
第二の理由は買取額に上限がない点です。建設業では数千万円から億単位の案件も発生します。800万円の材料費はもちろん、3,000万円の大規模改修工事でもまとめて調達できます。案件規模を気にせず利用できるのは大きな強みといえるでしょう。
受注直後に鉄筋や木材などの材料を一括発注したいとき、協力会社への前払い金が必要になったとき、重機のリース料を事前に支払わなければならないときなど、さまざまな場面で活用できます。
まずは公式サイトから問い合わせや見積もり、査定依頼をしてみましょう。建設業における資金繰りの強いパートナーとなるはずです。
トップ・マネジメント

| 手数料 | 2社間3.5%〜12.5% 3社間0.5%〜3.5% 電ふぁく1.8%〜8% |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 買取上限額 | 1案件1億円 |
| 買取下限額 | 30万円 |
| 契約方式 | 2社間/3社間の両方対応 |
| 必要書類 | 見積書・受注書・発注書・注文書 |
トップ・マネジメントは創業以来4万5,000件以上の実績を持つファクタリング会社です。見積書・受注書・発注書ファクタリングの先駆者として、建設業をはじめ幅広い業種の資金調達を支援してきました。ISO27001を取得しており、情報管理体制も整っています。
建設業に適している理由は、見積書段階から資金化できる点です。通常のファクタリングは請求書発行後、注文書ファクタリングでも受注後に利用できます。しかしトップ・マネジメントなら「見積書を提出した段階で資金化」できるため、受注前の準備資金を確保できます。
申込みや書類提出は公式サイトから手続きできます。見積書や注文書をお持ちの方は、まず公式サイトで詳細を確認してみてください。
日本中小企業金融サポート機構

| 手数料 | 1.5%〜10% |
| 入金スピード | 最短3時間 |
| 買取上限額 | 無制限 |
| 買取下限額 | 下限なし |
| 契約方式 | 2社間/3社間の両方対応 |
| 必要書類 | 2点のみ |
関東財務局長および関東経済産業局長認定の「経営革新等支援機関」で、ファクタリング会社として唯一の認定を受けています。支援総額436億円、取引社数18,900社、審査通過率95%以上という実績があります。
手数料は1.5%〜10%という業界最安水準で、上限も明確に示されています。建設業では複数の工事が同時進行するため、資金調達を繰り返す場面が多くあります。手数料を抑えられれば、その分を材料費や人件費に回せるでしょう。
また、下請債権保全支援制度との相互補完により、元請が倒産した場合のリスクを回避できる仕組みが整っています。元請との取引が多い建設業にとって、この保全体制は大きな安心材料といえます。
手数料や審査時間について詳しく知りたい方は、公式サイトをチェックしてみましょう。
アクセルファクター

| 手数料 | 0.5%〜8% |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 買取上限額 | 1億円 |
| 買取下限額 | 30万円 |
| 契約方式 | 2社間/3社間の両方対応 |
| 必要書類 | 申込用紙・請求書/注文書・通帳 |
関東財務局長と関東経済産業局長の両方から認定経営革新等支援機関に認定されたファクタリング会社です。建設業だけで1,000件を超える買取実績を持ち、申込みの50%以上を即日振込で処理しています。
建設業の場合、赤字決算や税金滞納中に資金調達が必要な場面があります。アクセルファクターは過去の工事実績や取引先との関係を確かめることで審査を通す独自体制を整えています。仮に銀行融資を断られた場合も、工事の受注実績があれば資金調達できるチャンスがあります。
長期売掛債権への対応も充実。180日以上の長期売掛債権に応じてくれるため、施工期間が3〜6ヶ月以上続く大型案件に安心して取り組めます。特にマンション改修や大型土木工事など、工期の長い案件を抱える事業者にとって心強いでしょう。
手数料は2%〜8%と、下限・上限ともに明確です。建設業では複数の工事を同時進行するため、調達コストを事前に把握できるのは大きいでしょう。想定外の高額手数料を請求される心配がなく、安心して利用できます。
資金調達をお急ぎの方は、今すぐ公式サイトから申込みください。審査通過率は93.3%、最短2時間での入金が期待できます。
BESTPAY(ベストペイ)

| 手数料 | 5%〜 |
| 入金スピード | 最短翌日 |
| 買取上限額 | 3億円 |
| 買取下限額 | 30万円 |
| 契約方式 | 2社間のみ |
| 必要書類 | 注文書・通帳コピー |
次世代のリスク分析技術を取り入れた、注文書買取特化のファクタリングサービスです。年間相談件数は1万580件に上り、そのうち相当数を建設業が占めています。
注文書買取専門サービスのため、建設業特有の商習慣や資金繰りの課題を深く理解しています。工事完了まで数ヶ月かかる案件、材料費の先払いが必要な現場、協力会社への前払い金など、建設業ならではの資金ニーズに対応できる体制が整っています。
買取実績の幅広さにも注目です。2025年11月現在、同社は最低15万円、最高4億1,268万円の注文書を買取した実績があります。利用企業の65%が建設業という圧倒的な割合は、建設業界からの信頼の高さを物語っています。
必要書類は注文書と通帳コピーの2点のみ。手続きの負担を最小限に抑えています。さらに2社間契約のため取引先に知られることなく資金調達でき、元請との関係を守りながら利用できるでしょう。
株式会社No.1

| 手数料 | 1%〜15%(2社間5%〜15%、3社間1%〜5%) |
| 入金スピード | 最短30分 |
| 買取上限額 | 5,000万円 |
| 買取下限額 | 50万円 |
| 契約方式 | 2社間/3社間の両方対応 |
| 必要書類 | オンライン完結 |
東京・名古屋・福岡に支社を展開し、地域ごとの建設業課題に対応しているファクタリングサービスです。東京では大型案件、名古屋では製造業関連の建設案件、福岡では公共工事といった地域特性に応じた審査体制を整えています。地元の建設業者にとって、地域実情を理解した担当者に相談できるのは大きな魅力です。
AI審査の導入により、審査時間は最短30分、入金は最短即日を実現。従来の財務諸表中心の審査ではなく、工事実績や取引先との関係性を総合的に判断するため、赤字決算や創業間もない事業者も利用可能です。
単なる資金調達にとどまらず、資金繰り専門のコンサルティング支援を提供しているのも特徴です。調達した資金をいかに効率的に運用し、利益率を上げるか。そして材料の一括発注によるコスト削減、協力会社との支払条件交渉、複数現場の資金配分最適化など、建設業の実務に即したアドバイスを得られます。
公式サイトから新規申込みを受け付けていますので、資金繰りにお悩みの方は今すぐ相談を始めてみてください。最短30分審査で、当日中に資金を調達できるかもしれません。
ベストファクター

| 手数料 | 2%〜20% |
| 入金スピード | 最短1時間 |
| 買取上限額 | 1,000万円 |
| 買取下限額 | 10万円 |
| 契約方式 | 2社間/3社間の両方対応 |
| 必要書類 | 請求書/注文書・通帳コピー等 |
年間相談件数5,000件以上、年間利用者数2,000社以上という実績を持ち、建設業の商慣習を熟知しているファクタリングサービスです。同社は2020年の日本トレンドリサーチでは「経営成績の向上ができるファクタリング会社」「経営者に紹介したいファクタリング会社」の2部門で最高評価を獲得しました。
建設業の利用者が多い理由は、業界全体が抱える「課題」への深い理解にあります。同社には建設業に知見のあるスタッフが在籍しており、事業者の財務状況や業態に応じた最適な資金繰りを提案しています。
たとえば、元請工事と下請工事では資金繰りのタイミングが異なりますし、土木と建築でも商習慣が異なるものです。こうした細かな違いを理解した上で、個別の状況に合わせたアドバイスを行っています。
入金スピードの速さは業界トップクラスです。最短1時間で入金され、即日振込実行率は66.5%〜77.8%と高水準。申込みの約7割が当日中に振り込まれる計算になるため、急な材料発注や職人への支払いにも対応できます。
業界知識の深いスタッフがいるベストファクターなら、初めての注文書ファクタリングでも安心でしょう。公式サイトから新規申込み・査定を受け付けていますので、資金繰りでお困りの方は今すぐ問い合わせてみてください。
ペイトナー

| 手数料 | 10% |
| 入金スピード | 最短10分 |
| 買取上限額 | 記載なし |
| 買取下限額 | 1万円 |
| 契約方式 | 2社間のみ |
| 必要書類 | オンライン完結 |
建設業には一人親方や小規模事業者が多く、こうした事業者にとって「料金の透明性」は何よりも重要です。ペイトナーは手数料が一律10%のため、隠れた追加費用への不安がありません。買取額に関わらず同じ手数料率なので、コストの予測を立てやすいのが魅力です。
最短10分入金という圧倒的なスピードで、建設業の機動的な資金ニーズに対応。材料の仕入れや職人への支払いで急に現金が必要になっても、申込みから最短10分で調達できる可能性があります。
また、利用限度額は初回1万円〜30万円、2回目以降は最大300万円まで段階的に増額される仕組みです。初めて利用する方は少額から始められるため、ファクタリングに不慣れな経営者も安心でしょう。
手数料の明確さとスピード、手軽さを兼ね備えたペイトナーは、小口資金を頻繁に必要とする建設業者に適したサービスです。少額の注文書ファクタリングを試したいなら、今すぐ公式サイトからお申し込みください。
けんせつくん

| 手数料 | 5%〜 |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 買取上限額 | 記載なし |
| 買取下限額 | 記載なし |
| 契約方式 | 2社間のみ |
| 必要書類 | 注文書・通帳コピー等 |
株式会社ウィットが運営する建設業特化のファクタリングブランドです。解体業3年・水道設備業3年の一人親方経験を持つスタッフが在籍しており、建設業の実務を熟知しています。
建設業では経験を積んだ職人が独立するケースが多く、技術はあっても財務基盤が弱い時期があります。けんせつくんなら創業初期の段階から資金調達の選択肢を持てるため、受注機会を逃さずに事業を成長させられるでしょう。
また、手数料5%〜という業界最安水準の料金設定も魅力。手数料を低く抑えられれば、その分を材料費や人件費に回せるでしょう。
建設業の実務経験者がいるけんせつくんなら、業界特有の悩みを理解した上で相談に乗ってもらえます。一人親方や小規模事業者の方は、公式サイトから新規申込みを始めてください。
建設Pay

| 手数料 | 1%〜 |
| 入金スピード | 最短1時間 |
| 買取上限額 | 1億円 |
| 買取下限額 | 記載なし |
| 契約方式 | 2社間/3社間の両方対応 |
| 必要書類 | 請求書または発注書、身分証明書、通帳コピーの3点 |
手数料1%〜と最短1時間入金を両立させた建設業専門ファクタリングです。株式会社DMCが運営しており、「日本の社会と経済を支える建設業の資金繰りは建設Payが護る」というミッションを掲げています。
注文書ファクタリングに完全対応しており、受注段階から資金化できます。買取額は最大1億円まで応じるため、小規模工事から大型案件まで幅広くカバー。赤字決算や税金滞納中でも利用でき、個人事業主から法人、下請けから元請まで対応できます。
オンラインで全国対応しており、必要書類は3点のみです。2社間と3社間の両方を選べるため、取引先との関係や手数料の希望に応じて使い分けられます。
建設業の注文書ファクタリングとは?請求書ファクタリングとの違い

注文書ファクタリングは、受注時点で将来の売掛金を現金化できる資金調達方法です。建設業では工期が長く請求書発行まで時間がかかるため、着工前の資金確保に有効な手段といえます。
注文書ファクタリングの基本的な仕組み
注文書ファクタリングは、工事を受注した際に受け取る注文書・発注書・契約書を、ファクタリング会社に売却して資金化するサービスを指します。資金化にかかわるのは3者で、工事を受注した建設業者、注文書を買い取るファクタリング会社、そして工事を発注する元請や発注者です。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 建設業者が工事を受注し、注文書を取得する
- ファクタリング会社に申込み、注文書を提出する
- 審査が行われる
- 入金される
- 工事完了後、請求書を発行し元請から入金を受ける
- ファクタリング会社へ支払う
3社間ファクタリングの場合、手順6は不要です。元請がファクタリング会社に直接支払うため、建設業者を経由しません。ただし元請に利用を知られるため、取引先との関係性を考慮して選ぶ必要があります。
また、2020年4月の民法改正により、将来債権譲渡が民法466条の6として明文化されました。
第四百六十六条の六債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。
民法(明治二十九年法律第八十九号)
この改正以前は将来発生する債権の譲渡に法的な曖昧さがありましたが、改正後は請求書発行前の段階でも法的な裏付けを持って安心して資金調達できるようになりました。
建設業にとってはいうまでもなく、大きな変化です。
請求書ファクタリングとの3つの違い
| 項目 | 注文書ファクタリング | 請求書ファクタリング |
|---|---|---|
| 資金化タイミング | 受注時点 | 請求書発行後 |
| 必要書類 | 注文書・発注書・契約書 | 請求書・納品書 |
| 手数料相場 | 5〜20% | 2〜15% |
| 審査難易度 | やや厳しい | 標準 |
請求書ファクタリングでは工事完了を待つ必要があります。注文書ファクタリングは受注段階で資金化できるため、最大180日早く資金を確保できます。
具体的な前倒し期間は工事の長さによります。3ヶ月の工事なら90日、半年の工事なら180日程度です。建設業は着工前の立替負担が大きいため、受注時点で資金調達できる注文書ファクタリングは有効な選択肢になります。
建設業の注文書ファクタリング|5つのメリット

建設業が注文書ファクタリングを利用すると、資金繰りの改善だけでなくリスク回避にもつながります。ここでは具体的なメリットを5つご紹介します。
受注段階で資金調達できる
請求書発行の3〜5ヶ月前に資金化できることが、注文書ファクタリングの最大のメリットです。受注が確定した時点で資金を手に入れられるため、着工前の材料費や人件費を確保できます。
建設業では工期が長く、請求書を発行できるのは工事完了後になります。通常のファクタリングは請求書発行後に利用できるサービスですが、注文書ファクタリングなら受注段階で資金化できるため、着工に必要な資金を先に用意できます。
最短即日で資金調達できる
銀行融資では審査に1〜2ヶ月かかりますが、注文書ファクタリングなら最短即日から2時間で資金化できます。この速さは、建設業の突発的な資金需要に対応する上で大きな強みになります。
たとえば天候不良による工程変更や、追加工事の発生など、予期しない状況が生じた際にも素早く対応できます。工事の進行に合わせて柔軟に資金を確保でき、現場の資金繰りを安定させられます。
売掛先の倒産リスクを回避できる
ノンリコース契約を選べば、売掛先が倒産しても返済義務を負いません。元請が倒産した場合の連鎖倒産を防げるため、下請企業にとっては大きな安心材料です。
特に大型工事で元請の信用力に不安がある場合、ファクタリングでリスクヘッジできます。工事代金を確実に回収できる見込みが立つため、安心して着工できるでしょう。
2社間契約なら元請に知られない
建設業では元請との信頼関係が重要です。ファクタリングの利用を知られると、資金繰り悪化の印象を与えかねません。2社間契約なら取引先との関係を守りながら資金調達でき、今後の受注機会にも影響しません。
負債にならず信用情報に影響しない
銀行融資の審査では、負債比率が重要な判断材料になります。ファクタリングは負債に含まれないため、今後の銀行融資の審査に影響しません。将来的な資金調達の選択肢を狭めることなく、必要な資金を確保できます。
建設業の注文書ファクタリング|デメリットと注意点

注文書ファクタリングには多くのメリットがある一方で、理解しておくべきデメリットも存在します。利用前に確認しておきたい注意点を解説します。
手数料が請求書ファクタリングより高い
注文書ファクタリングの手数料は、2社間で10〜25%、3社間で1〜10%程度が相場です。請求書ファクタリングの2社間8〜18%、3社間2〜9%と比べると、やや高めに設定されています。
手数料が高くなる理由は、注文書が請求書よりも先行する債権だからです。将来債権のため審査リスクが高く、資金拘束期間も長くなります。ファクタリング会社にとって回収の不確実性が高いため、その分を手数料に反映させる必要があるのです。
審査が厳しめで通過率が下がる
注文書ファクタリングは請求書ファクタリングより審査が厳格で、元請の信用力が重視されます。工事が完了していない段階での債権買取になるため、元請が支払いを実行できるかどうかが重要な判断材料になります。
また、注文書の内容も細かく確認されます。金額・工期・支払条件が明記されているかチェックされ、曖昧な記載では審査に通りにくくなります。口頭での発注や簡易的なメモ程度の注文書では、審査を通過できない可能性が高いです。
対応している会社が限られる
注文書ファクタリングに対応するファクタリング会社は限定的です。すべてのファクタリング会社が注文書を扱うわけではなく、特に建設業特化型を選ぶ必要があります。
建設業の商慣習を理解していない会社では、スムーズな取引ができません。工期の長さ、材料費の先払い、職人の手配といった建設業特有の事情を理解している会社でなければ、適切な審査や提案を受けられない可能性があります。
これについては、本記事でご紹介した10社から選ぶのが確実です。建設業の実務経験者が在籍している会社や、建設業の利用実績が多いサービスを選べば、安心して相談できるでしょう。
建設業の注文書ファクタリング|手数料を抑えるコツ

注文書ファクタリングの手数料は、同じ条件でも会社によって大きく異なります。たとえば1,000万円の注文書を資金化する場合、手数料差が5%あると50万円もの違いが生まれます。コストを抑えるためには、複数社を比較することが重要です。
3社以上から相見積もりを取る
相見積もりは手数料を抑える最も効果的な方法です。3社以上で比較すれば手数料の相場を把握でき、価格交渉の材料として使えます。1社のみでは高いのか安いのか判断できないため、複数社から見積もりを取ってください。
本記事の10社から選べば、ファクタリングをスムーズに利用できます。中でも日本中小企業金融サポート機構・トップ・マネジメント・アクセルファクターは手数料が安いため、まずこの3社で見積もりを依頼するとよいでしょう。
見積もり比較で確認すべき項目
手数料の総額だけでなく、入金日数・必要書類・契約条件・追加費用を確認してください。入金日数により工事着手のタイミングが決まりますし、必要書類が少なければ、現場作業に追われる中でも準備しやすくなります。
また、ノンリコース契約の有無は必ず確認しましょう。ノンリコースなら売掛先の倒産時にも返済義務がないため、安心して利用できます。追加費用がかかるかどうかを確かめることも重要です。事務手数料や振込手数料が加算されると、実質的な負担が増える可能性があります。
建設業の注文書ファクタリング|よくある質問
建設業で注文書ファクタリングを利用する際に、多くの方が抱く疑問をまとめました。実際の利用を検討する際の参考にしてください。
注文書だけで本当にファクタリングできますか?
できますが、以下の条件を満たす必要があります。
- 元請が実在する法人または個人事業主である
- 注文書に金額・工期・支払条件が明記されている
- 注文書の内容に曖昧さがない
過去の取引実績があれば審査通過率が上がります。また、ビートレーディングやトップ・マネジメントでは、メールなどのエビデンスでも利用できる場合があります。正式な書面がない場合は、事前に相談してみてください。
手数料の相場はどれくらいですか?
2社間で10〜25%、3社間で1〜10%程度が相場です。請求書ファクタリングに比べると、やや高めの設定になっています。
元請に知られずに利用できますか?
2社間ファクタリングなら、元請に知られることはありません。利用者とファクタリング会社の2社間で契約を結ぶため、元請への通知や承諾は不要です。
銀行融資との違いは何ですか?
| 項目 | 注文書ファクタリング | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 審査対象 | 元請の信用力 | 利用者の信用力 |
| 入金スピード | 最短即日 | 1〜2ヶ月 |
| 負債計上 | なし | あり |
| 赤字企業 | 利用可 | 困難 |
| 保証人 | 不要 | 必要な場合あり |
赤字決算や税金滞納があっても、元請の信用力が高ければ注文書ファクタリングを利用できます。銀行融資のように利用者自身の財務状況を厳しく問われることはありません。
また負債として計上されないため、財務諸表を悪化させることなく資金調達できます。
相見積もりは何社から取るべきですか?
最低3社、できれば5社から相見積もりを取ることをおすすめします。複数社を比較すれば手数料相場がわかり、価格交渉の材料にもなります。また、各社の対応スピードを比べられる点もメリットです。
まずは、本記事でご紹介した10社から無料で見積もりを取りましょう。手間はかかりますが、複数社を比較する価値は十分にあります。
まとめ
建設業の資金繰り課題を解決する注文書ファクタリングは、2020年民法改正により法的根拠が強化されました。受注段階から最大180日の資金化前倒しができるため、着工前の材料費や人件費を確保できます。
今回ご紹介した10社から、自社の状況に合ったサービスを選んでください。大手の信頼と実績を重視するならビートレーディング、最安手数料を追求するなら日本中小企業金融サポート機構がおすすめです。さらに審査通過率を重視する場合はアクセルファクター、フリーランスや一人親方ならペイトナーを検討してみてください。
注文書ファクタリングは単なる資金調達手段ではなく、黒字倒産を回避し、事業を持続させるための手段です。必ず複数社から相見積もりを取り、手数料・契約条件を比較した上で最適な会社を選びましょう。



