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楽天モバイルやLINEMO/povo2.0/ahamoなどモバイルSIMを複数契約し、長期的な視点で評価しながら、通信クリエーション編集部のライターがコンテンツを制作しています。
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プラチナバンド効果で地方エリアは繋がりやすくなる?
楽天モバイルは、2024年6月27日にプラチナバンドの一般向けサービスの展開を開始しました。
画像引用元:楽天モバイルコーポレートサイト
この記事ではこんな疑問に回答します。
- 楽天モバイルのプラチナバンドは現時点では地方で効果なし
- 楽天モバイルのプラチナバンドは東京都世田谷区の13基地局のみで発射されており、他社キャリアと比べると範囲が非常に狭い
- プラチナバンドは三大都市圏(首都圏、関西、名古屋)や福岡や札幌などの大都市で効果を感じられそう
楽天モバイルのプラチナバンドは地方ではまだ使えない
プラチナバンドは東京都世田谷区から設置がスタート
楽天モバイルのプラチナバンドは、2025年7月現在東京都世田谷区の13基地局で発射がスタートしています。
楽天モバイルのプラチナバンドとは、770MHz-773MHzと715-718MHzの合計6MHz幅の帯域です。
東京都23区以外の地域や地方都市への設置はまだゼロですが、今後段階的に全国にプラチナバンドのアンテナの設置が進んでいく予定です。
画像引用元:楽天モバイルコーポレートサイト
他社キャリアと比べるとプラチナバンドが使えるエリアが少ない
国内大手4キャリアの中でも、楽天モバイルはプラチナバンドのエリアが狭いです。
- ドコモ→プラチナバンドのエリアが充実
- au→プラチナバンドのエリアが充実
- ソフトバンク→プラチナバンドのエリアが充実
- 楽天モバイル(自社回線)→プラチナバンドのエリアが狭い
総務省の電波利用ポータルサイトで調査したところ、2025年7月現在の利用可能基地局は13件、利用できる場所は東京都世田谷区のみでした。
楽天モバイルのプラチナバンド基地局の場所の調べ方
実際にプラチナバンドの基地局がどこに設置されているかを、総務省の電波利用ポータルサイトから検索できます。
画像引用元:総務省
770-773MHz帯は東京都世田谷区のみ、合計10の基地局
715-718MHz帯は東京都世田谷区のみ、合計3の基地局
プラチナバンドで都市部の屋内や地下の繋がりやすさが改善される
楽天モバイルで提供が開始されたプラチナバンドは、以下の2パターンで設備を増強していく予定です。
- 既存の基地局へのアンテナの追加設置
- 新規基地局の開設
中でも既存の基地局へのアンテナの追加設置はコスト対効果が高く、素早く回線品質の改善に繋げられそうです。
東京以外の都市圏
以下のエリアでのプラチナバンドの提供は開始前ですが、高層ビルが立ち並ぶエリアや地下空間が多く存在するためプラチナバンドの電波の回り込みやすさとの相性が良いです。
- 関西
- 名古屋
大規模な地方都市
以下の地方都市は中心部には大型のビルが立ち並んでいることから、プラチナバンドの提供によりビル内や地下でも電波が隅々までつながりやすくなることが期待できます。
- 福岡
- 札幌
- 仙台
- 広島
小規模な地方都市
- 全国の県庁所在地
- 人口数万人〜数十万人の地方都市
楽天モバイルのプラチナバンドのアンテナは、電波が届きづらいデータやユーザーの声が多いエリアを優先し設置が進められます。
小規模な地方都市や県庁所在地であっても、現在楽天モバイルの電波が弱く時々つながりづらいことがある場合は、プラチナバンドのアンテナが設置されれば電波状況が改善される可能性が高いです。
楽天モバイルのバンド別の地方エリアへの展開状況
バンド | 詳細 | |
---|---|---|
バンド3 | 楽天モバイルの 4Gメインバンド |
全国で提供中 |
バンド28 (プラチナバンド) |
2024年6月にスタートした 700MHz帯の 4Gプラチナバンド |
東京都世田谷区で提供スタート 全国や地方での提供はこれから |
バンド18/26 (パートナー回線) |
KDDI回線を使用した 楽天モバイル自社回線でカバーできない エリアで自動接続される |
一部地方の 楽天モバイル自社回線未整備 エリアで使用中 |
5G Sub6 n77 | 5GのSub6バンド | 全国へ拡大中 |
5G mmWave n257 | 5Gのミリ波バンド | エリアは限定的 |
パートナー回線のプラチナバンドは地方で効果的に使われている
自社回線ではないもののKDDIのパートナー回線として楽天モバイルがローミング接続しているバンドはプラチナバンドのB18/26です。
B18/26は地方エリアで主に使用されているバンドです。
プラチナバンドの既存基地局への設置で電波品質が改善される
既存の基地局にプラチナバンドのアンテナを設置しても、エリアは広がらないのでは?
と一見思いますが、既存基地局へのプラチナバンドのアンテナ設置によりすでに楽天モバイルのエリア内の地域の回線品質が向上し、屋内や地下でのエリアの穴(カバレッジホール)を塞ぐことができます。
今後、残されたカバレッジホールを優先して自社基地局によるプラチナバンドの展開を順次拡大していく予定です(注3)。
引用元:楽天モバイルコーポレートサイト
筆者が使用する楽天モバイル回線では、4Gエリア内でありながら電波が弱いため、ビル内や地下に入った際に楽天モバイルの回線速度が遅くなり、Webページの表示やポイントカードのレジでの表示に時間がかかる場合がありました。
このようなケースがプラチナバンドのサービス開始により減っていくことが期待できます。