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マネーセミナーは連日開催されていますが、その多くが無料です。なぜマネーセミナーは無料で開催できるのでしょうか。
本記事ではマネーセミナーが無料開催される目的、収益を上げるためのからくりを詳しく解説しました。
新宿・はっとりFP事務所 ファイナンシャルプランナー
ライフマネー、税金、相続関連のメディアサイトを運営しながら、約10年間、関連記事の執筆および監修を行っており、これまでの執筆及び監修実績は2,000本以上。Google誕生時から約25年間、WEBサイトの構築やWEB記事作成を行っており、SEOのポイントを盛り込んだ記事を執筆可能。約10年間、マネー分野の検索キーワード分析を行っており、読者のニーズを捉えた記事の執筆を心がけている。
監修日 2024年4月2日
マネーセミナーが無料なのはなぜ?
マネーセミナーが無料で開催される理由は次の4つです。
先に実態を話してしまうと、ほとんどの場合で「セミナー後に、金融商品や有料セミナーの勧誘を行う」までがセット。つまり、セミナー後に商品の販売を行うのが主催者の真の目的です。
「お金の知識は得たいけれど、勧誘はちょっと……」と不安な場合は、動画視聴型のセミナーや、勧誘を断りやすい、オンライン開催のマネーセミナーを利用したほうが良いでしょう。
例えば、上の「マネイロ」のオンラインセミナーは、大人数に向けた講義をスマホやパソコンで視聴する受講スタイルです。
セミナー時はカメラやマイクも必要ありません。講師から発言を求められることもないので、気軽にお金の知識を学べます。
ここからは、マネーセミナーがなぜ無料なのか、目的やからくりについて、詳しく解説します。
目的1.バックエンド商材の販売につなげるため
バックエンド商材とは、最初は顧客に見せない「本命」の商材です。価格が高いけれど、すぐには売れない商品です。対して、顧客に最初に見せる商品を「フロントエンド商材」と言います。
マーケティング業界では「フロントエンド商材」で価値を感じてもらったあとに「バックエンド商材」の販売につなげるという手法がよく使われます。
業種 | フロントエンド (集客のためのサービス) | バックエンド (本当に売りたいサービス) |
---|---|---|
通販 | サンプル配布 | 本商品購入 定期コース申込 |
学習 | 無料体験レッスン | 有料コース申込 |
小売店 | 激安商品 タイムセール | 値引き前の商品 |
サブスク | 無料お試し期間 | 月額プラン登録 |
士業 | 無料相談 | コンサル契約 |
マネーセミナー | 無料セミナー 個別の無料相談 | 金融商品 有料セミナー申込 |
主催者にとって、無料のマネーセミナーは「フロントエンド商材」です。利用者はお金がかからないので、参加ハードルが低く、参加者がたくさん集まります。
そして、本当の目的は、マネーセミナーの開催以降、参加者を1人でも多くバックエンド商材に誘導することです。バックエンド商材には以下のようなサービスがあります。
- 有料の講座やスクール、サロンなど
- 有料の個別相談
- 次回の有料セミナーへの誘導
- 金融商品の販売
- 自社商品の紹介
基本的に民間企業が開催しているマネーセミナーなら、目的はほぼバックエンド商材の販売と言えるでしょう。無料開催で赤字になっている部分は、その後のセールス活動を通じて回収しているのです。
マネーセミナーの個別相談の内容は?流れと注意点目的2.顧客調査のため
無料でマネーセミナーを開催するのは、顧客調査が目的のケースもあります。まずは気軽に参加してもらい、セミナーの内容に対して参加者がどんな反応を見せるのかチェックするイメージです。
この場合、最終的にバックエンド商材の販売につなげるケースもあります。しかし今後のマーケティング施策を検討するための潜在顧客や、対象世代のニーズ・価値観調査などの目的が一般的です。
目的3.商工会議所や公共団体が市民のために公的に開催
商工会議所や役所など、公益性のある団体が開催するマネーセミナーは、市民のお金に対する知識や教養の向上を目的としており、無料で開催されます。
またそうした団体が、信頼できる企業などにセミナー開催を依頼することもあります。この場合も、セミナーの開催企業に対しては商工会議所や役所から開催料金が支払われているため、参加者から料金を徴収することはありません。
商工会議所や公共団体から企業にマネーセミナー開催を依頼する場合、公益性を保つために、特定の商材への誘導などは行いません。一般的な知識や見解を説明するだけに留まります。特定商材への誘導などは、規約で禁じられているのが一般的です。
目的4.趣味で開催している
まれに、趣味のために自分でマネーセミナーを開催しているケースもあります。FP資格者が仲間に知識を普及したり、自分の説明スキルを高めたりするのが目的でしょう。
当初は仲間内にお金の知識を普及していただけだったのが、だんだんとその輪が広がり、今では登録者250万人超えのYoutuberになった両学長(リベラルアーツ大学)のような事例もあります。
マネーセミナーを無料で開催できるからくりは?
マネーセミナーを無料で開催できるのは「後から収益が発生するため」です。※公共団体や趣味で開催している人を除く。
一般的な営利企業では、以下のように収益化しています。
まずは無料でマネーセミナーを開催します。この時点では会場費や講師料、スタッフの人件費など様々なコストが発生しており、赤字状態です。
セミナーが終わると、その当日に早速バックエンド商材への誘導が行われます。SNSアカウントのフォローやメルマガ登録など、その後の接点を保つための案内を受けることもあります。
多くの参加者はそのまま帰るので、セミナー直後にバックエンド商材を購入・契約する人はごくわずかです(1~2割ほど)。
マネーセミナー主催者は、参加者の氏名、住所、メールアドレス、電話番号、LINEアカウントなどを把握しています。
そして定期メルマガやLINEなどを通じて、イベント案内や次回のセミナー情報などを送信し、少しずつ顧客との関係性を深めていくのです。
このような企業の活動は「関係を醸成する活動」、「見込み顧客の育成(リードナーチャリング)」と言われます。
セミナー後の継続的な活動を通じて、最終的に参加者をバックエンド商材の購入まで誘導できれば、ようやく利益を回収するフェーズです。
マネーセミナー主催者のバックエンド商材はスクールへの入学や金融商品など、比較的高額なサービスが多いため、最終的に購入にいたった人数が少なくても、十分に利益を回収できます。
パレートの法則(2:8の法則)で利益を上げられている
ビジネス業界では「パレートの法則」という考え方があります。
パレートの法則(2:8の法則)
「売上の8割は、2割の顧客が生み出す」という法則
一部の人がお金を使ってくれれば、ビジネスとして十分に収益化できるというわけです。
無料マネーセミナーの場合、参加者のうち2割がバックエンド商材を購入してくれれば、十分に利益を回収できビジネスとして成立させられます。
そのためマネーセミナー主催者は、まず無料で見込み顧客の名簿を作った後、接点を保ちながら徐々に確度の高い顧客への営業にシフトしていきます。
無料のマネーセミナーは怪しくない?
マネーセミナーが無料で開催されていると、逆に「無料なのには何か裏があるのでは?」と怪しく感じる人もいるでしょう。実際に無料のマネーセミナーには、怪しいケースもあります。
参加するだけで料金を取られることはまずない
無料セミナーは参加費が無料です。参加するだけで料金の支払いを求められることはありません。
※よほど詐欺的な業者が開催するケースもあり得るかもしれませんが・・・。
そのため基本的に「無料開催」という言葉は信じてOKです。
無料セミナーを受けて、内容に満足しなければスルーしてOK
無料セミナーはあくまでも体験版のようなものです。実際にマネーセミナーを聞いた後、お金を支払うか否かは自分で判断できます。
内容に満足できない、興味がないと思った場合は、そのまま何もせず帰ってしまってもOKです。一定数の参加があるセミナーだと、大多数の参加者はそのまま帰ります。
無理な営業や勧誘があるケースには注意
無料マネーセミナーにおいて、営業や勧誘があるのは当然です。主催者としても、営業や勧誘を通じてバックエンド商材の購入につなげないと、利益を回収できません。
しかしセミナーによっては、無理な営業や勧誘を行ってくるケースもあります。ここでは、主催者側の圧や勢いに屈せず、しっかりと断ることが重要です。
少しでも付け入るスキがあると判断されると、どんどん話を進められてしまいます。心理的に断りづらい状況になってしまっても、サインや契約さえしていなければ断っても問題ありません。
角が立たないように断りたいなら「一旦家に持ち帰って考えたい」など、オブラートに包んで伝えると良いでしょう。
セミナー後の連絡にも注意
マネーセミナーの主催者は、顧客との関係を醸成するために、セミナー後もさまざまなコンタクトをとってくるはずです。興味がなければ、メールを配信停止にしたり、連絡をして欲しくないことを伝えましょう。
断っているのに無理矢理メールをするのは「特定電子メール法第3条」、電話をするのは「特定商取引法第17条」で禁止されています。
送信者は、第一項各号に掲げる者から総務省令・内閣府令で定めるところにより特定電子メールの送信をしないように求める旨(一定の事項に係る特定電子メールの送信をしないように求める場合にあっては、その旨)の通知を受けたとき(送信委託者がその通知を受けたときを含む。)は、その通知に示された意思に反して、特定電子メールの送信をしてはならない。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
特定商取引に関する法律
断ったのにそれでもしつこい勧誘が続く場合は、消費生活センターや消費者庁に相談しましょう。
営業や勧誘を避けるにはオンラインのマネーセミナーがおすすめ
無料オンラインセミナー
資産運用が動画30分で学べる
マネーセミナーの直後に営業や勧誘を受けるのが不安な場合は、オンライン開催のセミナーに参加するのがおすすめです。オンライン開催なら、マネーセミナー中も含めて好きなタイミングに退出できます。
最近はオンライン開催のマネーセミナーも増えています。しつこい営業や勧誘を避けられるほか、場所を問わず参加できる、交通費がかからない、体調が悪くても受講できるなど、オンライン開催のマネーセミナーはメリットが豊富です。
無料のオンラインマネーセミナーおすすめ12選【2024年最新】主催者や講師の知名度があれば信頼度が高い
主催者や講師の知名度が高いマネーセミナーなら、怪しくないと言えます。特に上場企業が開催する場合、コンプライアンスも非常に厳しいため、法律に抵触するような無理な勧誘や営業を受ける心配がほぼありません。
不安なら事前に主催者の会社規模や講師の知名度などチェックしておくと良いでしょう。
主催者に公共団体が入っていればまず安心
国や都道府県、市町村などの公共団体が主催者ならば、ほぼ怪しくないマネーセミナーと言えます。公共団体が関わっている場合は公共性を保つため、無理に商材を売りつけられるような心配はありません。
公共団体主催のマネーセミナーは知識や教養の獲得が目的なので、安心してお金の勉強ができます。
※ただし「怪しい企業が、うまく公共団体に取り入って開催する」というパターンもあるため、100%安全とは言い切れません。