ネット銀行の法人口座のデメリット6つ

ネット銀行の法人口座のデメリット6つ

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ネット銀行の法人口座は審査に通りやすいなどのメリットがある一方で、デメリットも見られます。本記事ではネット銀行で法人口座を開設する6つのデメリットについて、詳しく解説しました。

監修者:藤沼寛夫
監修者:藤沼寛夫

アカウントエージェント株式会社 公認会計士、税理士

2014年 EY新日本監査法人 入社
2018年 東京共同会計事務所 入社
2019年 藤沼会計事務所開業
EYでは上場企業の会計監査、非上場企業のIPO支援等に従事。会計事務所ではM&AアドバイザリーやSOX導入支援に従事。現在は開業し、会計監査・FAS等のサービスを提供しています。

監修日 2024年3月27日

ネット銀行の法人口座のデメリット6つ

ネット銀行で法人口座を開くデメリットは以下の6つです。

  1. 社会保険料の振替ができない
  2. e-taxのダイレクト納付ができない
  3. 融資の金額が小さい
  4. 補助金や助成金の受け取りに使える口座はメガバンクがほとんど
  5. 実店舗がなく、窓口での相談を受けられない
  6. 銀行のサーバーに依存する

デメリット1.社会保険料の振替ができない

デメリット①「社会保険料の振替ができない」

ネット銀行の多くは、社会保険料の振替に対応していません。そのため健康保険料や年金保険料などの社会保険料を指定の期日までに、納付書や電子納付により支払う必要があります。

ネット銀行以外と比べて、公金(税金・社会保険料)の支払いにひと手間増えるのは、ネット銀行のデメリットです。

GMOあおぞら銀行とイオン銀行は振替に対応

GMOあおぞら銀行は、2024年4月より社会保険料の口座振替に対応しました。

インターネット専業銀行のGMOあおぞらネット銀行が、厚生年金保険料、健康保険料、船員保険料、子ども・子育て拠出金および国民年金保険料の口座振替の取り扱いを開始します。

GMOあおぞらネット銀行の保険料口座振替の開始|日本年金機構

またイオン銀行も社会保険料の口座振替に対応しています。

イオン銀行が、厚生年金保険料、健康保険料、子ども・子育て拠出金及び国民年金保険料の口座振替の取扱いを開始します。

口座振替取扱い金融機関の追加について|日本年金機構

ネット銀行で法人口座を開設しつつ、社会保険料を口座振替にしたいなら、GMOあおぞら銀行かイオン銀行を選びましょう。

デメリット2.e-taxのダイレクト納付ができない

デメリット②「e-taxのダイレクト納付ができない」

ネット銀行の法人口座の多くは、e-taxのダイレクト納付に対応していません。ダイレクト納付とは、電子で確定申告をした後に指定口座から即時、もしくは期日を指定して振替ができる方法です。

ダイレクト納付ができると、納税の手間が省略できるのですが、ネット銀行の法人口座だと非対応のことが多いです。そのため、納付書を金融機関に持ち込んだり、インターネットからクレジットカードを使ったりして支払う必要があります。

ただしネット銀行の中でも、例外的にGMOあおぞら銀行は普通口座に限りダイレクト納付ができます。

GMOあおぞら銀行は普通口座に限りダイレクト納付ができる
引用元:銀行|国税庁 (nta.go.jp)

【公式】GMOあおぞら銀行

デメリット3.融資の金額が小さい

デメリット③「融資の金額が小さい」

ネット銀行は他の銀行に比べて、融資額が小さい点もデメリットです。

銀行名(ビジネスローン名)銀行の種類融資上限額
三井住友銀行ビジネスセレクトローンメガバンク1億円
三菱UFJ銀行ビジネスローン融活力メガバンク5,000万円
城南信用金庫 城南中小企業会計活用・応援ローン信用金庫1億円
横浜銀行はまぎんスーパービジネスローン地方銀行5,000万円
楽天銀行ビジネスローンネット銀行1億円
住信SBIネット銀行事業性融資daytaネット銀行3,000万円
PayPay銀行ネット銀行1,000万円
GMOあおぞらネット銀行あんしんワイドネット銀行1,000万円

楽天銀行のように例外もありますが、基本的にネット銀行の融資上限額は低めに設定されています。大口の融資を受けたい場合は、ネット銀行以外での法人口座開設を検討しましょう。

デメリット4.補助金や助成金の受け取りに使える口座はメガバンクがほとんど

デメリット④「補助金や助成金の受け取りに使える口座はメガバンクがほとんど」

国や地方公共団体が支払う補助金、助成金は入金先の口座が限られており、ネット銀行口座を指定できない場合もあります。どの銀行口座を振込先に指定できるかは、補助金や助成金の種類によりけりです。

メガバンクの法人口座を持っておけば、ほぼ間違いなくどの補助金や助成金でも受け取れます。

デメリット5.実店舗がなく、窓口での相談を受けられない

デメリット⑤「実店舗がなく、窓口での相談を受けられない」

ネット銀行は実店舗が存在しないため、窓口での相談を受けられません。手厚いサポートを受けられない点は、ネット銀行の大きなデメリットと言えるでしょう。

※店舗家賃や人件費がかからない分、他の銀行に比べて金利が高い、手数料が安いなどのメリットもあります。

ただ、ネット銀行でも、電話やチャットボット、メールなどによるサポートは受けられます。

デメリット6.銀行のサーバーに依存する(エラーやメンテナンスのリスク)

デメリット⑥「銀行のサーバーに依存する」

ネット銀行の手続きは、ATMを除くとすべてオンラインで行います。そのため万が一銀行のサーバーが落ちたり、メンテナンスに入ったりすると、入出金などの手続きができません。

サーバーダウンがたまたま請求書の支払期日にかぶってしまった場合などは、取引先からの信用低下につながってしまう可能性もあります。

念のため複数の銀行で法人口座を開設しておくと安心です。すべての法人口座をネット銀行にするよりは、ネット銀行&ネット銀行以外という組み合わせにしておくと、トラブルに対応しやすくなります。

デメリットはあるが小規模の法人やスタートアップには十分!

ネット銀行の法人口座には、いくつかデメリットがあります。しかし、売上や組織が小規模な事業者や、設立して間もないスタートアップ企業なら十分にメインの口座として使えます。
融資や補助金、助成金を受け取るつもりがならいなら、ネット銀行の法人口座でOKです。

私も、GMOあおぞら銀行を1年以上使っていますが、特に大きなデメリットを感じていません。毎月の給与の支払いも、設定しておけば自動で振り込んでくれる機能があるため簡単です。

以前は、GMOあおぞら銀行は社会保険料の口座振替ができなかったので、毎月手動でペイジーを利用して支払う手間があるのは面倒でした。ただ、令和6年4月1日から口座振替に対応するため、ぐっとラクになります。

GMOあおぞら銀行でなくても、ネット銀行の法人口座ならどれを選んでも良いと思います。ただ「社会保険や税金の口座振替に対応しているかどうか」はチェックしておきましょう。

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